剣山とは
生け花で、花や枝の根もとを安定させるために使う道具。
金属製の重い台にとがった針を上向きに多数植えつけたもので、花材の根もとをさしてとめる。
一般にいう剣山の用途はそうだが、もっとよく見てみるとそれはある程度の差し込みの深さがあってこそ、花の自立を可能としていることがわかる。
そのように考え、必要な条件を最小限に精査して行った時、差し込む深さの先端同士さえあれば、花を支えることがわかった。
それがこの花器の発想の根源
花を1本支えるには2つの点が必要であり、複数の花を支えるには2つの点の集まりも複数必要になる。
そう考えると1枚の板に複数の穴が空いているものが2枚あれば良いとなる
また、同じ穴のパターンが開いた大小2種類の板を用意することで、同じ種類の穴同士に花を挿せば、自然とブーケのような形が形成される。
花を挿すことや穴の種類を多彩にするために穴の形も花と同じく放射状な装飾的なパターンが用いられていることは、より穴の種別をつけやすくなったと同時に、花びらの延長としても花と器とがお互いをより美しく見せ合う関係を構築している。
2枚の板を自由な角度に回転させたり、それぞれを独立させることも可能であるため、見せたいイメージに応じて自在にアレンジする人の好奇心を刺激する。